福島乳幼児・妊産婦ニーズ対応プロジェクト (FnnnP)

本プロジェクトは、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電事故後、放射能汚染等による健康被害の不安を抱えて避難している乳幼児や妊産婦のニーズに対応することを目的としています。

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■県外の仕事紹介(アース・ミュージック&エコロジー)

避難所での聞き取りの際に一番出てくるニーズが、「住居」と「仕事」です。
特に、一人親の方の「仕事」についての懸念は非常に多いです。

岡山市に本社を持つアパレルメーカー「アース・ミュージック&エコロジー」ブランドで知られる「クロスカンパニー」社が、被災者100名を、神奈川、愛知、静岡県などの新規出店店舗の従業員(正社員)として中途採用するそうです。対象は、岩手、宮城、福島県の高卒以上が対象です。

引越しと住居費(社宅)は、同社が負担し、入社1年後には東北地方の店舗への異動も可能だそうです。本件の詳細は同社ウェブページでご確認ください。該当部分だけ抜き出します。

http://www.crosscompany.co.jp/news/index.cgi?c=zoom&pk=119
5月より会社説明会・選考会を行います。
● 5/10(火) 郡山 13:00~ 会場:郡山ビューホテル アネックス
● 5/11(水) 仙台 10:00~ 会場:メトロポリタン仙台
詳細は当社ホームページをご覧ください。http://www.crosscompany.co.jp/recruit/
 お問い合わせ先:人事部 東日本大震災 被災地区採用担当 0120-94-8822(086-235-8216)

アース・ミュージック&エコロジー
http://www.earth1999-netshop.jp/
クロスカンパニー
http://www.crosscompany.co.jp/

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■栃木県ニーズ調査 4月報告(1~概要、結果)

以下、4月中に栃木県で行った「福島乳幼児・妊産婦支援プロジェクト」との合同調査結果の報告です。
作成者:阪本公美子、津田勝憲 作成日:2011年5月1日

1.栃木県内における避難所の状況
1-1. 4月の避難所の状況(表1参照)
・栃木県においては、24市町48ヶ所に避難所があり、1,040人の避難者がいた。そのうち、福島県の避難者は1,029人であった(栃木県ホームページ4月13日現在)。
・栃木県は、4月を目処に一次避難所を閉鎖する方針を決定しており、二次避難所に誘導していた。そのため、4月1~3日にアンケート調査を行い、4月18日と19日に福島県が栃木県とともに閉鎖予定の全避難所で説明会・聞き取り調査を行った。
・乳幼児・妊産婦がいる23ヶ所の避難所に電話確認したところ、19ヶ所の避難所は4月中・4月を目処に避難所の解除が予定されていた(4月15日~25日)。なお、5月までが1ヶ所、7月までが2ヶ所、未定が1ヶ所あった。

1-2. 避難所における乳幼児・妊産婦の数
・栃木県・福島県が行ったアンケート調査の集計によると、23ヶ所に137名の乳幼児、2箇所に4名の妊産婦がいた(4月1~3日)。なお、県発表によると妊産婦は、別途20名、妊婦専用避難所住宅にいる(4月14日現在)。
・その後、避難所に4月25日の間に電話で問い合わせた結果、乳幼児は20ヶ所に87名となっていた(4月15日~25日)。

2-2. 避難所の乳幼児父母・妊産婦
5つの避難所で、12世帯に行ったインタビュー対象者の内訳は、以下の通りである。
・避難所にてインタビューを行ったが、生活相談の情報を得て避難所にもともといた母親・妊産婦が相談に来たり、避難所に姉を訪れていた妊産婦ともインタビューを行う機会があった。避難所(9世帯)、市営(3世帯)
・インタビュー相手:母親(10名)、妊産婦(2名:うち一人は乳幼児の母親)、父親(2名:うち一人は夫婦)
・乳幼児:未就学乳幼児(20名)、就学年齢児童(1名)
・出身地:南相馬市(4世帯)、いわき市(3世帯)、楢葉町(2世帯)、浪江町(1世帯)、葛尾(1世帯)、郡山(1世帯)
・原発からの距離:20キロ圏内(4世帯)、20-30キロ圏内(5世帯)、30キロ圏外(3世帯)
・一緒に避難してきた単位:拡大家族(6)、夫婦各家族(3)、夫を残して(2)、母子家族(1)

2-3. 聞き取り・協議を行った主な行政担当部署・市民団体など
・栃木県災害対策本部
・福島県災害対策本部(栃木県出張者)
・栃木県保険福祉部医療厚生課
・宇都宮市自治振興部
・日光市災害対策本部
・日光市健康福祉部子育て支援課保育係
・宇都宮市民活動サポートセンター、宇都宮まちづくり市民工房
・とちぎ市民活動推進センターくらら
・社会福祉法人栃木市社会福祉協議会
・小山市ボランティア支援センター
・小山市市民生活化市民協働推進係
・日光市社会福祉協議会ボランティア・福祉教育推進センター
・栃木労働局ハローワーク宇都宮
・ハローワーク宇都宮宇都宮公共職業安定所
・NPOおせっかいハウス
・栃木県立大平少年自然の家
・その他、避難所担当者

3.聞き取り結果
3-1. イッシュー
聞き取り協力者は、避難所の生活について概ね満足しており、住環境、食事、物資などについては、顕著な問題はなかった。姿川では体育館に畳と仕切りが迅速に提供され、小山では暖かい食事が提供された。イベントも多く開催され、子供たちも自由に遊んでいた。壬生では、地域からの食材の提供があり、地域の人との交流のある中で避難者が自炊する生活を営んでいた。足利でも、さまざまなイベントが開催され、ボランティアに関しても情報を事前に周知され、避難者の積極的な参加が見られた。日光市もで、朝のミーティングで避難者の状況把握や情報提供が行われていた。ただ、物資については、育児時のニーズとして、おんぶヒモ、母乳パッド、男児用スボンなどあれば助かったという内容が若干あり、一部避難所ではインターネット環境やファックス等の情報端末が整っておらず、情報面で不便は若干あった。とはいうものの、むしろ、後述の通り、今後に対する不安や、仕事とマッチした生活支援に関するサポートが不十分であった面の方が際立っていた。

(1)4月末で避難所が閉鎖された後の行き先
すべての聞き取り協力者に共通した心配事として、4月に避難所が閉鎖され、その後の行き先が決まっていないことが挙げられていた。4月はじめに県によるアンケートがあり、旅館・ホテルか、公団かいずれかの希望が聞かれ、4月18-19日に福島県による説明会が行われたが、生活環境に関する情報提供がない中、行き先の選択を迫られているための戸惑いが感じられた。
(ア)情報不足
判断が急がされているにもかかわらず、例えば選択肢に挙げられているホテル・旅館や公団周辺の保育園・幼稚園・小学校、医療サービスに関する情報は全く提供されていなかった。また、ホテル・旅館の場合、離乳食や洗濯がどうなるのか、という説明も全くなかった。さらに4月中の移動という情報にもかかわらず、行き先地域については知らされていたが、ホテル・旅館名ですら直前まで知らされていなかった。
(イ)30キロ圏外の場合
県の説明では、30キロ圏外の避難者に対しても旅館・ホテルへの移動を希望するか、公団を希望するか、福島に帰ることを希望するかを聞いてはいるというが、30キロ圏外の避難者にはいずれの選択肢もためらいがある。さまざまな要因が複雑に絡んでいるが、福島県や栃木県が誘導の過程で「福島にもどっても大丈夫なのではないですか」というような発言を当事者にしていることも背景にあると考えられる。また、公団で一から家具を揃え、光熱費や生活費を負担をするためらいもある。さらに、政府補償の対象外であるため、仕事をせず生活することは難しく、旅館・ホテルを希望する世帯は限られていた。
(2)保育園・幼稚園・託児
ほとんどの聞き取り対象者が、保育園、幼稚園、託児所の重要性を訴えている。
もっとも生活上必要であったのは、母親が仕事をする必要があるため、保育や託児が必要である、というニーズであった。多くの聞き取り協力者は、子供の教育の継続性を問題視していた。避難所で保育園・小学校に通わせはじめた聞き取り協力者もいる一方で、避難所が4月末で閉鎖だと知っているため保育園・幼稚園への入園の申し出があったにもかかわらず断念した方もいる。そういった意味で、行き先において保育園・幼稚園に関する情報がなく、ホテル・旅館に移動しても数ヶ月でさらに移動が促される状況があるため、継続性に不安がある。
 足利市に居住を決めた聞き取り協力者は、地域に保育園がなく、幼稚園しかないため、授業料が高く、あきらめざるを得なかった。市に問い合わせたところ、民間なので個別に交渉せねばならないという。
(3)公団などにおける家財道具
公団に入ることを躊躇している最大の理由が、家財道具を一から揃えなければいけないことである。一部自治体では、社会福祉協議会が家具を市民から集め提供していたが、必ずしもすべてにおいてそのようなニーズと市民の協力がつながっていない。妊婦に特別に用意された住居も、家財道具が用意されていない公団であり、妊娠中、一から生活のために家財道具を揃えなければいけなかったという。
(4)補償・収入
・全く補償のない30キロ圏外の避難者にとっては、仕事をして収入を得ることが重要であるが、避難所における積極的な情報提供はない。最初から、自活し生活基盤を栃木などで整えることを決めていた世帯では、本人が積極的にハローワークに出向いて仕事を決めていた。しかし、それは子供をみることができる母親がおり、父親が仕事をきめてきたパターンである。他方、シングル・マザーは、子供を預けないと就職活動すらできないため、託児所や保育園が自活ための必要条件となる。
・夫が福島で仕事をしており、母子で避難しているパターンも栃木県内では多くみられた。一部、自営業(食品販売)で、今後の仕事の継続に悩む世帯もいた。また、夫の給料だけで家族全体を支えるのが難しい場合も多く、妻も子供を保育園などに預け働きたいという希望もあった。
・仕事を得た聞き取り協力者からは、ハローワークの「移転費」が避難所から勤務地のみカバーしているため、福島県の住居から新しい勤務地への移転費の対象とならず、実態に即していない状況が明らかになった。
・補償が明示された30キロ圏内の家族も、未だ支払いが行われておらず、現金がなく、生活も容易でない。避難所に説明にきた東電の社員は、質問にも答えられなかったという。
(5)心身・精神の健康
避難所における健康については、保健師や医師の巡回もあり、大きな心配はないようである。ただ、避難所においてインフルエンザやノロウィルスが流行した場合の心配はあった。また、30キロ圏外の場合、医療費が原則有料であることも更なる負担となる。 地震や津波を経験し、子供たちの精神的な負担を心配する親も多かった。4世帯が子供の異変に気がついており、心配をしていた。
聞き取り協力者の2人は、本人がストレスを抱えていた。うち一人は公団に一人で入っているため、精神的なストレスを抱えている妊産婦である。また、公団に入っている時期も、出産するまでの時期とは異なるため、出産をどこでできるのか、という心配もあった。さらに、子供への差別を不安視する声もあった。
(6)情報
避難している家族は、さまざまな情報を求めている。
二次避難所に関する情報、補償に関する情報、生活支援に関する情報(就職など)、子供の教育(保育園・託児所・小学校)、医療に関する情報、安否確認に関する情報、そして当事者間の情報交換などである。補償や補助金に関する各種申請書は、コンピューターによるダウンロード形式になっていることが多く、インターネット環境のない場合は困ることがあるという。多くの避難所ではインターネットに接続したコンピューターにアクセスできるが、今後、自活して民間のアパートなどに入った場合、情報が入ってこないかもしれないという懸念もある。
 携帯電話に関しては、多くの避難者が所持しているが、料金節約のために利用を減らしている現状もある。震災当時は、友人間で連絡を取り合っていたが、携帯電話が無料だったのは3月末までのため、利用を控えていた聞き取り協力者もいた。
(7)福島県にもどる不安
避難所の閉鎖を機に、福島県に帰らざるを得ない状況の家族もいたが、不安をかかえながらの帰宅と言わざるを得ない。旅館・ホテルは、福島県内の仮設住宅ができるまでの期間の中継ぎとして、福島県・栃木県に用意されているが、子供とともに福島県にもどることを危惧している避難者もいた。とりわけ南相馬市の避難者は、原発から30km圏のすぐそばに仮設住宅が建設され始めており、子供とともに避難している避難者は不安を抱えている。

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■栃木県ニーズ調査 4月報告(2~焦点)

続きです。

3-2. 多様な対象者とプロジェクトにおける焦点
(A)賠償や補償、公的支援から外れる乳幼児家族・妊産婦:30km圏外
30km圏内や政府が指定する区域内などについては、東電による補償や公的支援が、遅延しているものの受けられる見込みがある。また、公的に危険が表明されているため、帰宅するという可能性も低く、補償の優先順位も高い。賠償などが受けられれば、選択肢が増える可能性もある。集団移転になるため、市町村や県レベル、自治組織レベルの対応が不可欠である。
 原発から30km圏外の指定区域圏外の乳幼児世帯に対する支援については、これらの世帯が放射性物質による子供への影響に強い不安を持っているものの、公的な支援が受けられないため、自宅への帰宅となる可能性に不安を持っている。その上、補償なども無く、子供たちが避難所近辺の学校に入学したため、なるべく移動は避けたいが、中長期的な避難生活を支えるための資金・住居・家財道具・仕事などが見込めない状態である。そのため、これらの支援が不可欠となっている。
 現地の首長は「安全」を宣言するなどして、福島県内の学校も平常通り始まっており、大半の世帯が帰郷している中で、あえて避難生活を継続することは大変な挑戦となる。実際、夫を残して母子で避難してきた聞き取り協力者の2世帯は、避難所の閉鎖の機に、帰宅することを決めていた。
 このような背景の中、本プロジェクトでは、賠償や補償、公的支援から外れる乳幼児世帯を中心にサポートする必要がある。

(B)賠償や補償に不安がある地域:20~30キロ圏内の乳幼児家族・妊産婦
原発周辺の20~30km圏内の住民は、「自主避難」というあいまいな位置づけがされており、原発事故後苦労してきた地域である。南相馬市の中でも、避難準備区域とされた地域の聞き取り協力者は、充分に補償されるのかどうか不安があると訴えていた。さらに、栃木県の二次避難所に誘導されているが、それは7月下旬までであり、その後は希望は聞かれるもの、福島県内に建設されている仮設住宅へ誘導される。南相馬市の仮設住宅は、原発から30キロ圏外の際に建設されており、子供とはとても帰れず、それ以外の選択肢は用意されていない現状において不安を抱えている。

(C)特別な支援が必要な家族形態:シングル・マザー、母子避難
同じ30キロ圏外でも、福島に夫を残して母子で避難してきた家庭、夫婦子供世帯で避難してきた家庭、シングル・マザーが母子で避難してきた等、その家族構成で、状況は異なってくる。上記の通り、母子で避難してきた世帯は子供の健康への影響を考えて避難してきたにもかかわらず、福島にいる夫や親戚は必ずしも同様の価値観をもっておらず、家族内での意見の不一致がある。避難が長期化し、一人で子供の世話をする苦労や孤独感とともに、夫や親戚が帰郷を強く促すという重圧も見受けられた。
 他方、聞き取りに協力してくれが夫婦世帯は、もともと妻の両親と仕事を一緒にしていたが、両親が避難をすすめ、核家族で避難していた。家のローンもなくアパートであったため、避難後いわき市以外での生活再建を決めており、既に仕事もアパートも決定していた。
シングル・マザーの場合、生活の糧が必要な上、保育園や託児所といったサービスがない限り、就職どころか求職も難しくなる。
 このような観点からみると、世帯構成によってニーズが異なり、シングル・マザーのように育児と仕事の両方に責任を持っている母親への支援を特に重視するとともに、母子で避難してきた乳幼児家族や妊産婦への心理的サポート、夫婦世帯へのサポートなど、異なるニーズに対しても敏感である必要がある。

(D)妊産婦
避難所に正式に滞在している妊産婦には、諸事情で聞き取りが出来なかったが、避難所における本相談の話を聞いて、すでに公団に避難している2名の妊産婦が聞き取りに協力をしてくれた。この点は、特別な施設を用意されている妊産婦も、このような話をする機会を求めていると思われる。
うち一人は、夫が福島で家業の整理を行っているため、単身の生活に不安がある。そのうえ、公団に居られる期限が出産前までであり、出産までの不安がある。もう一人は、出産後の居住地域について福島に帰りたい夫や夫の両親の意向があり、意見が一致していない。

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■栃木県ニーズ調査 4月報告(3~ニーズ対応)

以上の栃木県内でのニーズ調査から出てきたニーズへの対応についての報告です。

4.ニーズ対応
ニーズに対しては、内容によってそれぞれの自治体担当者、社会福祉協議会、サポートセンター、ボランティアセンターが既に対応している面もあった。
 保育士の巡回など、自治体担当者が既に対応していることは聞き取り対象者から確認したが、必要に応じて情報提供(例えば保育園などに関して)やその他の対応を県や自治体に依頼した。
 社会福祉協議会、サポートセンターやボランティアセンターが既に対応している面と、ニーズが必ずしもつながっていない面と両方ある。それぞれの地域の避難所は、そのニーズとのつながりやキャパシティに差はあるものの、地域のサポートセンターなどが対応可能である。例えば、宇都宮では宇都宮サポートセンターが対応可能であるように、表1に示したとおり、社会福祉協議会やボランティアセンターなど、対応している市民団体が存在している。よって、地域において対応可能なニーズの場合、各市民団体につなぐことが重要である。
 例えば、宇都宮サポートセンターでは、宇都宮市内において直接・間接的に、家財道具の提供(数に制限はある)、アパートに関する相談会、託児所、農家等における仕事に関する情報がある。
 なお、聞き取り協力者に対しては、それぞれのニーズについて聞き取り、その場で情報提供できるものは提供し、後日、情報提供するために連絡先(電話やメール)なども聞き、新たな情報を入手次第連絡した。

4-1. イッシュー別対応
(1)4月末で避難所が閉鎖された後の行き先:情報提供
4月の避難所の閉鎖については、栃木県担当者と数度にわたり、協議した。県担当者によると、4月を目処としており、かならずしも4月いっぱいで追い出す、というスタンスではないという説明であった。ただし、アンケート、説明会など、避難所から二次避難所、帰郷への誘導は間違いなくあった。
 栃木県に対しては、旅館・ホテルの位置する地域の、保育園・幼稚園・小学校への入園・入学に関する情報、医療サービス、離乳食が旅館やホテルで用意できるのかどうか、洗濯はどうなるのかなど、きめ細かい情報も提供するように依頼した。しかし、栃木県に提言している間も(4月25日)、福島県からの災害対策本部担当者は、避難者と二次避難所のマッチングに奔走しており、話をする余裕もなかった。よって、依頼に関わらず、このような詳細は必ずしも避難者には提供されることなく、移動直前にホテル・旅館名が伝えられたと考えられる。
 そのため、個別対応として聞き取り協力者に対し、日光市内の旅館の周辺情報として、市内保育園について調査し、直接聞き取り提供者に情報を提供した。

(2)保育園・幼稚園・託児:行政、市民サポートで補足
日光市、宇都宮市に問いあわせたところ、保育園は定員に達しても、避難者に対しては、親が仕事をしているか仕事をする意思があるという要件を満たす場合、保育士が充分である場合に限り、特例で受け入れる方針を確認した。その点は、日光市・宇都宮市に移転予定で関心のあった聞き取り対象者に情報を提供し、連絡先なども伝えた。
また、万が一のための臨時の託児支援について、数に限りはあるものの宇都宮サポートセンターで登録者を紹介できるシステムも、複数の聞き取り対象者に紹介した。今後、公的・民間による保育・託児が充分にニーズに応じているかどうか、聞き取り調査を継続し、判断していく必要がある。
 足利市における民間の幼稚園については、課題として残る。

(3)公団などにおける家財道具:行政→市民サポート
栃木県担当者に、公団などにおける家財道具の問題を伝え、社会福祉協議会などと連携し、避難者(特に妊産婦)に対して、家財道具が提供する方法の検討を依頼した。
また、既に宇都宮サポートセンターで行っている家財道具の提供に関する情報を、宇都宮にてニーズのある聞き取り対象者には情報提供した。宇都宮サポートセンターにおける家財道具の提供には限りがあるため、対応を上回るニーズが発生するかどうか状況を把握する必要はある。

(4)収入や補償:課題
職業を得て自立支援するための情報は避難所で欠落しており、県担当者にも提言したが、この点は避難所という性質上、積極的な情報提供は難しいという判断であった。ハローワークも、各種助成金について一部避難所で説明を行っているが、依頼があった場合のみとなる。今後、避難者に対してどのように自立支援を促す環境が形成できるか、模索する必要がある。
 移転費については、ハローワークが栃木労働局を通して厚生労働省に挙げていたが、福島県からの移転費は支給できないという結論であった。しかし、避難者が栃木県内に仕事を得て移転をする場合、福島第一原子力発電所の事故の状況を鑑みれば、家財道具は福島県内の自宅にあることが容易に推測される。今後、他の地域から同じような事例が考えられるため、新潟、横浜、東京など他地域における調査で、類似した事例に注意し、厚生労働省に対する働きかけも視野に入れた支援も考えなければならない。
 補償については、今後20キロ圏内、20-30キロ圏内の避難地域の住民に対して、どのような形で支払われるか、注視する必要もある。

(5)身体・精神面の健康:医療費の交渉と心のケア
30km圏外の場合の医療費は、原則有料であったが(3月23日付けで、震災により失業した被災者も無料になった)、宇都宮市内において一部ボランティアの働きかけによって無料となっている事例もあったため、類似した試みが他でも模倣されることが望まれる。
 子供たちの心のケアについては課題が山積しているが、既に他地域で心のケアを行っている日本ユニセフ協会と連携し、ニーズに対応していく必要がある。

(6)情報
栃木県内においても、避難者が震災に関する情報収集や行政情報及び申請を行うために、インターネットにアクセスできる環境整備が望まれる。
携帯電話が唯一の個人的な情報源・通信方法である場合、通信会社による被災者への継続した配慮に働きかける必要もある。
 また、聞き取り協力者、その他避難者に対しても、情報を積極的に提供していく必要があると同時に、当事者同士のネットワーク化(バーチャル・実態双方から)によるメリットの検討も模索必要がある。

(7)福島県にもどる不安
現時点で栃木県に避難している福島県民は、短期的に、遠方への避難の希望はなかったが、栃木においても一抹の不安が垣間見られることがあり、千葉県や兵庫県などへの避難の選択肢に関する情報提供は行った。

4-2. 多様な対象者とプロジェクトにおける焦点
(A)賠償や補償、公的支援から外れる乳幼児家族・妊産婦:30km圏外
30km圏外の避難家族が賠償・補償・公的支援から外れる可能性が高い。一次避難所の閉鎖を機に、旅館・ホテルといった二次避難所には入らず、公団やアパートなどに移動したケースの方が多い。5月以降継続している避難所、二次避難所における聞き取りはもとより、その他に避難している乳幼児・妊産婦家族への聞き取りも重要となってくる。

(B)賠償や補償に不安がある地域:20~30キロ圏内の乳幼児家族・妊産婦
20-30km圏内における政策について把握するとともに、引き続き、避難所などにおいて聞き取り調査を続ける必要がある。
 とりわけ南相馬市における原発から30km圏外の際に建設される仮設住宅については事実確認を行い、さらに類似した建設に関する事実確認の上、提言をする必要がある。

(C)特別な支援が必要な家族形態:シングル・マザー、母子避難
シングル・マザーに対しては、仕事と育児、双方において行政、そして市民のサポートが必要である。しんぐるまざーふぉーらむ福島のホットラインの紹介・情報提供も行う。また、夫を残して母子で避難してきている場合も、避難先に残りにくい状況があり、民間の支援が必要な対象である。

(D)妊産婦
聞き取り協力者のうち、5月に妹家族が栃木県南から那須のホテルに移動することによって話し相手がいなくなる妊産婦さんには、本人の了解を取り、学生の「おしゃべりボランティア」を紹介した。
また、今回妊産婦の相談先というニーズに直面したため、今後、公団で暮らしている妊産婦にもアクセスし、助産師とともに健康や生活相談を行っていく必要がある。

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■栃木県内の避難者へのニーズ関連の情報提供

本プロジェクトでは、栃木県内でのニーズ調査及びニーズ対応活動の際、福島からの乳幼児・妊産婦家庭に次の資料を配布しています。ご希望の方は、当会までメールにてご連絡ください。
(fukushimaneedsアットgmail.comまで。アット部分を@と差し替えてください。)

【住居・家財】
・宇都宮まちづくり市民工房「家具・家電提供情報」
・宇都宮まちづくり市民工房「アパート入居相談会」
・ハローワーク「被災者の雇用促進住宅の受け入れのイメージ」
【仕事関係】
・ハローワーク「広域求職活動費」と「移転費」の概要
・ハローワーク「東日本大震災に伴う雇用保険給付の特例措置について」
・梨農園からのお願い
【受け入れ先】
・NPO法人ふるさと「新規就農希望者募集中」
・千葉県鴨川大山支援村の概要
・一般社団法人ノオト「疎開受け入れの準備を進めています」
・東京都助産師会「東京里帰りプロジェクト」
【他】
・しんぐるまざーずふぉーらむ「女性&シングルマザーのためのパープルホットライン」
・東京都福祉保健局「災害時の「こころのケア」の手引き」

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■福島県ニーズ調査 4月報告(概要、結果)

福島県内で行った予備調査の結果です。結論にある通り、福島県内の地元関係各機関と調整を進め、地元の努力を応援する形で活動を行いたいと考えています。

作成:舩田クラーセンさやか

1.福島県内での予備調査
福島県内には、一次避難所と二次避難所があり、多くの人が数回の移動を繰り返している状態にある。県内避難所数は522か所であるが、小さな避難所も多く、行政の状況把握・データの整理が追いついていない。一次は3000人を超す避難者で溢れた郡山市のビックパレットでは、1カ月経ってようやく避難者総数が把握できた状態である。このような状況の中で、乳幼児・妊産婦の数や状況の把握は困難で、基礎データの把握や入手は5月に入るものと考えられる。
 したがって、本調査では、避難者への個別家庭への聞き取り調査ではなく、郡山県内及び会津地域で避難者の支援に当っている関係各機関への聞き取りと今後の連携の調整、そして予備調査を行った。

1-1.聞き取りを行った場所
・一次避難所(磐梯市)
・一次避難所(ビックパレット、郡山市)
・その他、関係各機関への訪問

1-2.聞き取り協力機関や関係者
・ビックパレット運営事務局
・ご用聞喜屋
・NPO法人ココネット・マム(育児サポート)
・福島県議会議員企画環境副委員長
・桜の聖母短期大学生活科学学科准教授 
・NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島 
・福島大学行政政策学類 准教授 
・福島県中地域NPOネットワーク(なかネット)
・郡山の未来をつくる会(ハイロアクション、元市議会議員)
・(特活)うつくしまNPOネットワーク

1-3.聞き取り結果
1-3-1.福島県内の状況
(1)データの不足
福島県の各自治体から誰がどこに避難しているのかのデータが不足。
妊産婦・乳幼児のデータ以前に、各避難所の把握、元住民の転出先把握に時間がかかっている。ざっくりいって把握できている流出者は70%。原発事故による避難者については、もっと厳しい状態。
(2)県内関係機関間の調整の不足
原発事故によって、行政・民間両方の多くの人が避難したため、調整が後手にまわっていた。ここに来て、各団体の機動力が高まりつつあり、今後は調整が進む可能性あり。
1-3-2.避難所の状況
各避難所の状況は千差万別。とりあえずの収容に力点が置かれていたため、避難所の運営については課題が多い。ここにきて他県からの応援が入るようになり、改善が見られつつある。しかし、女性の特別なニーズへの対応が非常に遅れていると、地元団体による指摘あり。この点については、既に郡山市と各避難所に要望書が手渡されている。
1-3-3.乳幼児・妊産婦の状況
県内にほとんど残っていないのではないかとの意見あり。助産師さんの会の情報から。むしろ、新潟県に集中している可能性があるので、その点について確認されたいとのこと。
1-3-4.避難者のニーズの把握
個別のグループ(女性や子供)のニーズ把握まで手が回っていない状況。ただし、しんぐるまざあ・ふぉーらむ福島など特定の団体の頑張りにより、分かってきたところもある。
1-3-5.地元団体の活動
地元機関も4月半ばから動きが活発化し、福島大学で災害復興研究所が立ち上がるなど、地元機関の動きに今後も注目し、地元機関の頑張りを応援すべきと考える。

1-4.避難者への聞き取り結果
今回は予備調査と関係者へのインタビューと調整がメインだったため、避難中の一家族にしか調査が出来なかったが、調査から、以下のニーズが浮かび上がった。
調査対象:磐梯市内避難中のお母さん
背景:南相馬市出身24キロ。原発事故を受けて、磐梯市内にあるスキー場に避難。
心配事:毎日状況が変化中だが、8月いっぱいまで一次避難所にいることができるようになった。3・11前は自営業だったため、いつ帰れるのか、帰っても事業が再開できるのか見通しが立たず不安が募る。子どもたちそれぞれが事情を持っており、さらなる移動は避けたいところであるが、仕事もなく、失業保険も期限があるため、8月の避難所退去までには、次を決めて準備をしなくてはならない。
その他:同じ避難所には、当初子どもがいる世帯が15世帯いたものの、現在15世帯となり、10世帯は帰った。帰った理由は、子どもの学校開始による。残り5世帯は、①20キロ圏内のため帰れず、②津波で家が流されたため帰れず。

1-5.聞き取り結果から見えてくるニーズ対応
(1)避難所の滞在期間を延長
(2)失業手当の受給期間の延長
(3)今後の見通しを知りたい
(4)情報がテレビと新聞に限られている上に、各種の届がインターネット経由(書類のダウンロードなど)になっているため、避難所の全員が使える公共のパソコンがほしい(インターネットは通っている)

1-6. 行ったニーズ対応
(1)~(2)については、地元団体に働き掛けの依頼
(4)については、中古PC6台を提供済み

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■よくある問合せへのQ&A(その1:支援対象)

よくあるご質問に答えます。

1.本プロジェクトの支援対象は、「乳幼児・妊産婦」の「家庭」です。
避難や疎開の場合、子どもさんだけの対応をしている団体もありますが、本プロジェクトはご家族ごとの対応をしていますので、ご安心ください。

2.また、「乳幼児」は、乳児「0~1歳」、幼児「1歳~就学前」を指します。
これは、幼ければ幼いほど、放射線の影響が大きいと言われているためと、本プロジェクトの規模としてすべての年齢層に対応することは難しいと考えられるからです。

3.ただし、それ以上のお子さんをお持ちのご家族でも、緊急にニーズへの対応が必要なご家庭があると思います。それについては、ケースバイケースで対応させていただきますので、まずはご連絡ください。

4.また、支援の対象は、「福島原発事故により不安を感じる乳幼児・妊産婦家庭」です。20キロ圏内、30キロ圏内、計画避難地域などに限らず支援していますので、ご安心ください。

まずは、ご一報ください。
(fukushimaneeds<@>gmail.com)

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■赤い羽根共同募金に応募しています

本会は、赤い羽根共同募金が行っている「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」の助成に応募中です。
http://www.akaihane.or.jp/er/p3.html

福島県内外で避難中の乳幼児・妊産婦の家庭の個別のニーズに迅速に対応するための事業への助成をお願いしているところです。現在では、各メンバーの持ち出しで活動を行っている状態です。寄付金を集めていますが、助成金が確保できれば、もっと多くの対象者に、迅速にきめ細かくニーズに対応できるので、朗報期待したいと思います。

同助成については、次のサイトをご覧ください。
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http://www.akaihane.or.jp/er/p6.html
東日本大震災に関わる支援活動への多大なるご尽力、本当にありがとうございます。
ただいま「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」の助成の応募を受け付けております。
中央共同募金会は公正な配分委員会を設置し公平な助成を行うことで、
災害支援活動が最大限の効果を上げられるようみなさまを後押ししていきます。
多数の応募をお待ちしております。
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■避難家庭への家電・家具・台所用品募集!

横浜の一次避難所での調査が進みつつある中で、多くのご家族が6月までに二次避難先となるアパートに移られることが分かりました。多くのご家庭が手持ちの資金が底をつく状態で、しかも政府や東電の補償を受けられる30キロ圏内あるいは計画避難地域外の出身者となっておられます。

今一番ニーズがあるのが、次のものです。
(1)家電製品(冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、テレビ)
(2)家具類(ソファーや机・椅子)
(3)台所用品(茶碗や鍋、調理器具)

以上のものでご提供可能な物品がございましたら、是非ご一報ください。(直接送ってこないようにご注意ください。まずは情報を集めています)

mailto:fukushimaneeds<@>gmail.com <= <>を取って、@だけを入れてください。
その際、必ず以下の情報をお送りください。
1.お名前(フルネーム)
2.ご住所、ご連絡先
3.ご提供いただける物品の詳細
(ア)物品の種類(例:全自動 洗濯機)
(イ)容量(例:●●リットル)
(ウ)購入年
(エ)メーカー名
4.送料をご負担いただけるか否か
5.その他、使い勝手の注意事項など

まだ助成金の確保ができていないので、出来れば送料をご負担いただける方からの提供を優先いたしますが、今後の調査次第で多くの物品が必要になる可能性もあるので、送料は負担できないが是非協力したいという方がいらしたらどうぞお申し出くださいませ。

なお、当然ながら、あまりに古いかったり、汚い物品のご提供はご遠慮いただければと思います。
阪神淡路大震災の際に、全国から送られてくる古着の中に、毛玉だらけのものがあったりしたのを見て、被災者の方がより悲しまれたことを目の当たりにした経験があります。また、結局ポートアイランドの埋め立て物品になってしまったものもたくさん出ました。せっかくのご厚意と必要としている人たちときちんとつなげるためにも、どうぞご理解いただけますようお願いいたします!

舩田クラーセンさやか

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■震災で困っている女性&シングルマザーのためのホットライン

以下、連携先のNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島」から頂いた情報です。
必要としている皆さんに是非お送りください。福島県内からでも、県外からでも大丈夫です。
なお、メールアドレスの<@>の<>はお取りください。
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震災で困っている女性&シングルマザーのためのパープル・ホットライン
0120-941-826
毎週火曜日:10時~21時
毎週木曜日:10時~17時(弁護士さんの電話相談13時~16時)
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東日本大震災で困り事を抱えたシングルマザーや女性たちの相談をお受けします。
生活費のこと、住まいの事、子どものこと、仕事のこと、家族のこと、健康のこ
と、これからの暮らしのこと、避難所での生活のことなど、なんでも相 談して
ください。
●携帯メール:sinmama<@>ezweb.ne.jp
(直接お話できる電話番号と都合のよい時間帯もお書きください)
●緊急の場合の携帯番号:090-2908-8545
●しんぐるまざあず・ふぉーらむ福島のダイレクト相談
(土日のみ、090-2952-4195 singurumm<@>softbank.ne.jp)

共催:NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ福島、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ
住所:東京都千代田区神田神保町2-28 日下ビル4階 後援:福島県

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