福島乳幼児・妊産婦ニーズ対応プロジェクト (FnnnP)

本プロジェクトは、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電事故後、放射能汚染等による健康被害の不安を抱えて避難している乳幼児や妊産婦のニーズに対応することを目的としています。

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■栃木県ニーズ調査 4月報告(3~ニーズ対応)

以上の栃木県内でのニーズ調査から出てきたニーズへの対応についての報告です。

4.ニーズ対応
ニーズに対しては、内容によってそれぞれの自治体担当者、社会福祉協議会、サポートセンター、ボランティアセンターが既に対応している面もあった。
 保育士の巡回など、自治体担当者が既に対応していることは聞き取り対象者から確認したが、必要に応じて情報提供(例えば保育園などに関して)やその他の対応を県や自治体に依頼した。
 社会福祉協議会、サポートセンターやボランティアセンターが既に対応している面と、ニーズが必ずしもつながっていない面と両方ある。それぞれの地域の避難所は、そのニーズとのつながりやキャパシティに差はあるものの、地域のサポートセンターなどが対応可能である。例えば、宇都宮では宇都宮サポートセンターが対応可能であるように、表1に示したとおり、社会福祉協議会やボランティアセンターなど、対応している市民団体が存在している。よって、地域において対応可能なニーズの場合、各市民団体につなぐことが重要である。
 例えば、宇都宮サポートセンターでは、宇都宮市内において直接・間接的に、家財道具の提供(数に制限はある)、アパートに関する相談会、託児所、農家等における仕事に関する情報がある。
 なお、聞き取り協力者に対しては、それぞれのニーズについて聞き取り、その場で情報提供できるものは提供し、後日、情報提供するために連絡先(電話やメール)なども聞き、新たな情報を入手次第連絡した。

4-1. イッシュー別対応
(1)4月末で避難所が閉鎖された後の行き先:情報提供
4月の避難所の閉鎖については、栃木県担当者と数度にわたり、協議した。県担当者によると、4月を目処としており、かならずしも4月いっぱいで追い出す、というスタンスではないという説明であった。ただし、アンケート、説明会など、避難所から二次避難所、帰郷への誘導は間違いなくあった。
 栃木県に対しては、旅館・ホテルの位置する地域の、保育園・幼稚園・小学校への入園・入学に関する情報、医療サービス、離乳食が旅館やホテルで用意できるのかどうか、洗濯はどうなるのかなど、きめ細かい情報も提供するように依頼した。しかし、栃木県に提言している間も(4月25日)、福島県からの災害対策本部担当者は、避難者と二次避難所のマッチングに奔走しており、話をする余裕もなかった。よって、依頼に関わらず、このような詳細は必ずしも避難者には提供されることなく、移動直前にホテル・旅館名が伝えられたと考えられる。
 そのため、個別対応として聞き取り協力者に対し、日光市内の旅館の周辺情報として、市内保育園について調査し、直接聞き取り提供者に情報を提供した。

(2)保育園・幼稚園・託児:行政、市民サポートで補足
日光市、宇都宮市に問いあわせたところ、保育園は定員に達しても、避難者に対しては、親が仕事をしているか仕事をする意思があるという要件を満たす場合、保育士が充分である場合に限り、特例で受け入れる方針を確認した。その点は、日光市・宇都宮市に移転予定で関心のあった聞き取り対象者に情報を提供し、連絡先なども伝えた。
また、万が一のための臨時の託児支援について、数に限りはあるものの宇都宮サポートセンターで登録者を紹介できるシステムも、複数の聞き取り対象者に紹介した。今後、公的・民間による保育・託児が充分にニーズに応じているかどうか、聞き取り調査を継続し、判断していく必要がある。
 足利市における民間の幼稚園については、課題として残る。

(3)公団などにおける家財道具:行政→市民サポート
栃木県担当者に、公団などにおける家財道具の問題を伝え、社会福祉協議会などと連携し、避難者(特に妊産婦)に対して、家財道具が提供する方法の検討を依頼した。
また、既に宇都宮サポートセンターで行っている家財道具の提供に関する情報を、宇都宮にてニーズのある聞き取り対象者には情報提供した。宇都宮サポートセンターにおける家財道具の提供には限りがあるため、対応を上回るニーズが発生するかどうか状況を把握する必要はある。

(4)収入や補償:課題
職業を得て自立支援するための情報は避難所で欠落しており、県担当者にも提言したが、この点は避難所という性質上、積極的な情報提供は難しいという判断であった。ハローワークも、各種助成金について一部避難所で説明を行っているが、依頼があった場合のみとなる。今後、避難者に対してどのように自立支援を促す環境が形成できるか、模索する必要がある。
 移転費については、ハローワークが栃木労働局を通して厚生労働省に挙げていたが、福島県からの移転費は支給できないという結論であった。しかし、避難者が栃木県内に仕事を得て移転をする場合、福島第一原子力発電所の事故の状況を鑑みれば、家財道具は福島県内の自宅にあることが容易に推測される。今後、他の地域から同じような事例が考えられるため、新潟、横浜、東京など他地域における調査で、類似した事例に注意し、厚生労働省に対する働きかけも視野に入れた支援も考えなければならない。
 補償については、今後20キロ圏内、20-30キロ圏内の避難地域の住民に対して、どのような形で支払われるか、注視する必要もある。

(5)身体・精神面の健康:医療費の交渉と心のケア
30km圏外の場合の医療費は、原則有料であったが(3月23日付けで、震災により失業した被災者も無料になった)、宇都宮市内において一部ボランティアの働きかけによって無料となっている事例もあったため、類似した試みが他でも模倣されることが望まれる。
 子供たちの心のケアについては課題が山積しているが、既に他地域で心のケアを行っている日本ユニセフ協会と連携し、ニーズに対応していく必要がある。

(6)情報
栃木県内においても、避難者が震災に関する情報収集や行政情報及び申請を行うために、インターネットにアクセスできる環境整備が望まれる。
携帯電話が唯一の個人的な情報源・通信方法である場合、通信会社による被災者への継続した配慮に働きかける必要もある。
 また、聞き取り協力者、その他避難者に対しても、情報を積極的に提供していく必要があると同時に、当事者同士のネットワーク化(バーチャル・実態双方から)によるメリットの検討も模索必要がある。

(7)福島県にもどる不安
現時点で栃木県に避難している福島県民は、短期的に、遠方への避難の希望はなかったが、栃木においても一抹の不安が垣間見られることがあり、千葉県や兵庫県などへの避難の選択肢に関する情報提供は行った。

4-2. 多様な対象者とプロジェクトにおける焦点
(A)賠償や補償、公的支援から外れる乳幼児家族・妊産婦:30km圏外
30km圏外の避難家族が賠償・補償・公的支援から外れる可能性が高い。一次避難所の閉鎖を機に、旅館・ホテルといった二次避難所には入らず、公団やアパートなどに移動したケースの方が多い。5月以降継続している避難所、二次避難所における聞き取りはもとより、その他に避難している乳幼児・妊産婦家族への聞き取りも重要となってくる。

(B)賠償や補償に不安がある地域:20~30キロ圏内の乳幼児家族・妊産婦
20-30km圏内における政策について把握するとともに、引き続き、避難所などにおいて聞き取り調査を続ける必要がある。
 とりわけ南相馬市における原発から30km圏外の際に建設される仮設住宅については事実確認を行い、さらに類似した建設に関する事実確認の上、提言をする必要がある。

(C)特別な支援が必要な家族形態:シングル・マザー、母子避難
シングル・マザーに対しては、仕事と育児、双方において行政、そして市民のサポートが必要である。しんぐるまざーふぉーらむ福島のホットラインの紹介・情報提供も行う。また、夫を残して母子で避難してきている場合も、避難先に残りにくい状況があり、民間の支援が必要な対象である。

(D)妊産婦
聞き取り協力者のうち、5月に妹家族が栃木県南から那須のホテルに移動することによって話し相手がいなくなる妊産婦さんには、本人の了解を取り、学生の「おしゃべりボランティア」を紹介した。
また、今回妊産婦の相談先というニーズに直面したため、今後、公団で暮らしている妊産婦にもアクセスし、助産師とともに健康や生活相談を行っていく必要がある。
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